セルフレジは本当に「安い」のか 万引き・ミスを差し引いても店が導入を進める理由

経済面

スーパーのレジがどんどん無人化しています。客が自分でバーコードを読み取る「セルフレジ」、店員がスキャンして支払いだけ客がやる「セミセルフレジ」。有人レジより人件費が安いのは直感的にわかりますが、万引き・スキャンミス・戸惑う客のフォロー要員のコストを差し引いても、本当に安いのでしょうか。数字で確認してみます。

万引き・スキャンミスの実態

セルフレジ最大の不安要素は「万引きが増えるのでは」という点です。実際、全国万引犯罪防止機構(警察庁生活安全局協力)の実態調査によると、セルフレジを導入したスーパー83社に被害の増減を聞いたところ、「増えた」と答えた企業は約24%にとどまりました。「変わらない」が約29%、「わからない」が約41%で、「明確に増えた」と言い切る企業はむしろ少数派です。

さらに注目したいのが、不明ロス(レジに反映されずに消えた商品の金額)の原因内訳です。スーパー業態では「万引窃盗」が約34%だったのに対し、「管理誤り」——つまりスキャン漏れや値札のミスなど、悪意のない原因——が約40%を占めていました。セルフレジの不安として語られがちな「万引き」よりも、実は「うっかりミス」の方が店にとって大きな損失要因だということになります。

また、スーパー業態全体の不明ロス率(売上高に対する割合)は直近年度で0.56%と、前年度の0.67%、前々年度の0.71%から低下傾向にあります。セルフレジの普及が進んだこの数年で、少なくとも「不明ロスが急増している」という状況にはなっていません。

それでも店が導入を増やし続ける理由

全国スーパーマーケット協会の年次統計調査によると、セルフレジを設置しているスーパー企業の割合は、2019年の11.4%から2024年には37.9%まで拡大しています。これは「セルフレジは損だから撤退する」という動きとは真逆の、加速し続けている数字です。

小売業は利益率が薄く、コストに敏感な業界です。もし万引きやミスによる損失増が人件費削減効果を上回るなら、この設置率の伸びは説明がつきません。店舗側が独自に持っている詳細なコスト計算はオアシス新聞のような外部からは見えませんが、「増え続けている」という行動そのものが、店側が総合的に採算が合うと判断していることの間接的な証拠になっていると言えそうです。

見えているコストと、見えていないコスト

もちろん、セルフレジには有人レジとは別の種類のコストがあります。

  • 監視・フォロー要員:完全無人にはできず、複数台のセルフレジを1人のスタッフが巡回してエラー対応や年齢確認(酒・タバコ等)を行う体制が必要
  • 防犯カメラ・不正検知システム:セルフレジ1台ごとにカメラを設置するなど、初期投資が有人レジより高くつくケースがある
  • 操作に不慣れな客の離脱:高齢者を中心に「使いにくくて有人レジに並び直す」という声もあり、レジの回転率が想定通りに上がらないリスクもある

ただし、これらのコストを金額として公式統計から具体的に示すことは、現時点では難しいのが実情です。経済産業省や厚生労働省の統計にも、セルフレジ導入による人件費削減額や監視コストの標準値といったデータは見当たりませんでした。「1台あたり何%人件費が下がる」といった数字はIT企業やPOSベンダーのコラムで見かけますが、これらは営業目的の試算であることが多く、当メディアでは事実の根拠として採用していません。

まとめ

現時点で確認できる公的データを見る限り、セルフレジ導入による万引き・不明ロスの急増は起きておらず、むしろロス率は低下傾向にあります。そして「万引きより厄介なのはスキャン漏れなどのミス」という構図も見えてきました。監視要員や防犯投資といった見えにくいコストは残るものの、店舗側が設置を増やし続けているという事実が、総合的な採算のシグナルになっていると考えられます。

全国小売業不明ロス・店舗セキュリティ実態調査分析報告 第14回(特定非営利活動法人 全国万引犯罪防止機構)
2024年 スーパーマーケット年次統計調査 報告書(一般社団法人 全国スーパーマーケット協会)

※本記事はAIを活用して作成し、編集部が公的機関の発表などの一次情報にもとづいて事実確認を行っています。詳しくは編集方針・AI利用ポリシーをご覧ください。

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