「進ちょく」という書き方 「進捗」が常用漢字になった理由

「進ちょく」という書き方、「進捗」が常用漢字になるまで。読みはしんちょく、交ぜ書きを減らすため、書籍860冊分の出現頻度調査で選ばれた 漢検2級クイズ

【漢検2級】 読み問題

この漢字の読み方は?

進捗

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正解

しんちょく

うんちく

答えは「しんちょく」です。仕事や工事がどこまで進んだかを表す言葉で、報告書や打ち合わせの場でよく使われます。

この「捗」という字が常用漢字表に入ったのは、2010年(平成22年)のことです。それ以前は表になかったため、「進ちょく」と漢字とひらがなを混ぜて書かれることがありました。

文化庁は、2010年の改定でこうした「交ぜ書き」を減らし、文を読みやすくしようとしたと説明しています。同じ理由で加わった字に、「謙遜」の「遜」や「危惧」の「惧」があります。「謙そん」「危ぐ」と書くよりも、漢字で書いたほうが目で見て意味を取りやすい、という考え方です。

いま使われている常用漢字表は、2010年11月30日に内閣告示第2号として告示されたものです。同じ日に、1981年(昭和56年)の常用漢字表は廃止されました。

どの字を入れるかは、どう決めたのか

基本になったのは、出現頻度の調査でした。文化庁によると、書籍・辞典・教科書・雑誌などの版下データ860冊分、延べ約4900万の漢字を分析し、使われている回数の順に漢字を並べたものが基礎資料になっています。新聞2紙の2か月分の紙面と、ニュース記事などのウェブページも、補助の資料として数えられました。

もうひとつの物差しが「造語力」、つまりその字を使った熟語がどれだけあるかです。調査対象の漢字と、その前後1文字ずつを含む3文字の並びがどうなっているかを数える調査まで行われました。たった3文字でも、その漢字がどんな語の中で使われているかは、かなり見えてきます。

【コラム】人名にばかり使われて、長いあいだ入らなかった漢字

出現頻度が高ければ入る、という単純な話でもありません。

「藤」という字は、この調査で264位という高い順位でした。それでも1981年の常用漢字表には入っていません。3文字の並びを見ていくと、藤田・藤原・藤井・加藤・伊藤・藤沢と、ほとんどが人名や地名だったからです。常用漢字表は固有名詞を対象としないため、どれだけ多く使われていても、それだけでは選ばれません。

決め手になったのは「葛藤」でした。この語が繰り返し相当の頻度で現れることと、「藤色」のような一般の語にも使われることから、漢字小委員会は「藤」を追加することにしています。

ふだん何気なく変換している字にも、こうした地道な数え上げの結果が積み重なっています。

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