獲れなかった魚の枠は「翌年に持ち越せる」ようになった TAC制度に繰越ルールが新設

あなたの知らない官報

魚を獲る量にも、実は国が決めた「年間の割り当て」があります。今年獲り切れなかった分は、これまでは単純に消えていました。ところが2026年7月6日付の官報で、その扱いを変える告示改正が公表されました。使い切れなかった枠の一部を、翌年度に持ち越せるようにする新ルールです。

漁獲可能量(TAC)とはどんな制度か

日本の漁業には、魚種ごとに「今年はこの海域でここまで獲ってよい」という上限を国が定める仕組みがあります。これを漁獲可能量(TAC=Total Allowable Catch)と呼びます。漁業法にもとづき、農林水産大臣が魚種・海域ごとに数量を決め、都道府県別・大臣管理区分別に配分します。乱獲を防ぎ、資源を維持しながら漁業を続けるための制度です。

この枠は通常、管理年度(多くは4月から翌年3月まで、魚種によって期間が異なります)ごとに区切られています。年度が終われば、その年に配分された枠のうち使われなかった分は、原則としてそのまま消滅する仕組みでした。

何が変わったのか

今回の官報に掲載された農林水産省告示(まさば及びごまさば対馬暖流系群に関するもの)では、この漁獲可能量の配分ルールに「未利用分の繰越し」という項目が新設されました。

内容を整理すると、次のとおりです。

  • 管理年度の終了時点で確定した漁獲可能量のうち、使われずに残った数量(未利用分)が対象
  • その未利用分の10パーセントを上限として、「国の留保」という形で翌管理年度に繰り越すことができる
  • 告示は公布の日(2026年7月6日)から施行

つまり、「今年獲れなかった分は来年に多少上乗せできる」という仕組みが加わったことになります。ただし無制限に繰り越せるわけではなく、あくまで10%が上限という点がポイントです。

同じ号では、べにずわいがに日本海系群(知事許可水域)についても関連する規定が示されていました。こちらは「ステップアップ管理」という、漁獲実績の比率をもとに段階的に都道府県への配分数量を精緻化していく仕組みが導入されており、国の留保についても「年によって異なる漁場形成の変動等を勘案して定める」とされ、今後の配分方法についても事前に検討を進めるとされています。魚種や管理方式によって、繰越や留保の考え方が少しずつ異なっている点も興味深いところです。

なぜこうしたルールが必要なのか

漁獲可能量は、その年の海の状況(水温や回遊ルートの変化など)によって、狙った通りに獲れるとは限りません。天候不順や漁場の移動で枠を使い切れなかった年に、その分がすべて無駄になってしまうと、漁業者にとっては不公平感が生まれやすくなります。今回のような繰越ルールは、年ごとの変動を多少吸収しつつ、資源管理の公平性と実効性を両立させる工夫のひとつと言えそうです。

【コラム】漁獲可能量(TAC)制度はどこから来た考え方か

漁獲可能量を用いた資源管理は、乱獲による資源枯渇を防ぐための国際的な手法として、国連海洋法条約などを背景に世界各国で導入が進んできた考え方です。日本でも「海洋生物資源の保存及び管理に関する法律」(TAC法)にもとづき1997年から本格的に運用が始まり、対象魚種を段階的に広げながら現在の漁業法上の制度へと引き継がれています。魚種ごとに海域を分けて管理するのも、回遊するルートや資源量が海域によって大きく異なるためです。


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※本記事はAIを活用して作成し、編集部が公的機関の発表などの一次情報にもとづいて事実確認を行っています。詳しくは編集方針・AI利用ポリシーをご覧ください。

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