IBM株急落25% 1987年以来の下落率 AI投資シフトが直撃

IBM株急落25% 1987年以来の下落率 アイキャッチ画像 経済面

米IBM(インターナショナル・ビジネス・マシーンズ)の株価が2026年7月14日、1日で25%を超える下落となりました。同社の株価がこれほど下落したのは、1987年10月19日の「ブラックマンデー」(下落率23.7%)以来です。取引記録が残る1968年以降で最大の下落幅とも報じられています。

何が起きたのか

IBMは同日、通常の決算発表(7月22日を予定)に先立ち、投資家向けの書簡で第2四半期(4〜6月期)の速報値を公表しました。この「決算前倒し公表」の内容が市場予想を大きく下回ったことが、株価急落の直接の引き金になりました。

公表された調整後1株当たり利益(EPS)は2.93ドルで、市場予想の3.01ドル前後を下回りました。売上高も172億ドルとなり、市場予想の178.6億ドル前後に届きませんでした。この結果を受けて株価は前日終値の290.23ドルから大きく下げ、この日は217.07ドル前後で取引を終えたと報じられています。

IBMが説明する原因

IBMのアービンド・クリシュナ最高経営責任者(CEO)は投資家向け書簡で、今回の不振の主因はメインフレーム関連(Zシリーズ)とそれに紐づくソフトウェア事業、特に取引処理分野の落ち込みにあると説明しました。書簡では「今四半期、我々はつまずいた」という趣旨の率直な言葉も使われています。

背景として挙げられているのが、企業の投資予算の急速なシフトです。クリシュナ氏によると、6月終盤にかけて顧客企業が、ソフトウェアへの支出よりも、サーバーやストレージ、メモリーといったAIデータセンター向けインフラの調達を優先する動きを強めました。供給が逼迫する中で価格上昇を見込み、先んじて確保しておこうとする動きだったとされています。多くの大型商談がIBMの想定していた時期に成立しなかったことが、業績下振れの大きな要因になったといいます。

市場全体への波及

この日はIBM単独の下落にとどまらず、ソフトウェア関連銘柄が全般に売られる展開となりました。同業種の企業の株価も軒並み下落したと報じられています。一方で、サーバー・ストレージ・メモリー関連の銘柄は堅調に推移したとされ、IBMが説明した「投資予算のシフト」という構図と整合的な値動きだったとの見方も出ています。

証券アナリストの反応は分かれています。今回の下落を「押し目買いの好機」とみる声がある一方、IBMが抱える課題を「一企業の問題にとどまらない、業界全体の構造変化」だと指摘する声もあります。格付けを引き下げた証券会社がある一方、目標株価を引き上げた証券会社もあり、評価は割れている状況です。

今後の焦点

今回公表されたのはあくまで速報値です。IBMは正式な第2四半期決算を2026年7月22日に発表する予定で、その際に通期の業績見通しについても説明するとしています。速報段階の数字は今後の集計で多少変動する可能性がある点も、IBM自身が留保しています。

AI関連インフラへの投資が急拡大する中で、従来型のソフトウェア・メインフレーム事業を主力としてきた企業の収益にどう影響していくのか。IBMの今回の急落は、その構図を象徴する出来事として受け止められています。

参考リンク
Software Stocks Tumble After IBM Results Miss Analyst Expectations – Bloomberg
IBM stock craters 25%, the worst day on record – CNBC
IBM stock closes down more than 25% – Yahoo Finance
Here’s Why IBM Had Its Worst Day Ever – Forbes
IBM stock suffers dramatic losses after earnings warning – Westfair Communications

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