道路工事といえば、地面を掘り返して埋設管を直すイメージが強いかもしれません。しかし実は、道路を掘らずに地中の管を内側から補修する工事もあります。この「掘らない工事」に関わる仕事が、外国人技能実習生が担える職種として新たに加わったことが、官報で告示されました。
何が変わったのか
2026年7月29日付の国土交通省告示第十四号により、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則」に基づいて国土交通省が定める基準(技能実習を行わせる体制の基準)の対象職種に、「管路更生職種」と「鉄工職種」が追加されました。
この基準は、建設業に関わる技能実習生を受け入れる事業者に向けたもので、日本標準産業分類の「建設業」を選択している申請者に限って適用されます。対象となる職種は、さく井、建築板金、冷凍空調機器施工、建具製作など数十種類にのぼり、これらの職種に共通する体制上のルールを定めたものです。今回の改正で、この共通ルールが適用される職種リストに、管路更生と鉄工の2つが仲間入りした形です。
「管路更生」とは何か
聞き慣れない言葉かもしれませんが、「管路更生」とは、老朽化した下水道管などを、道路を掘り返すことなく、管の内側から補修・再生する工事のことです。管の中に特殊な樹脂製の材料を通して硬化させることで、新しい管を通したのと同じような状態をつくる技術で、掘削工事に比べて交通規制の期間や周辺への影響を抑えられる点が特徴とされています。
下水道管路の老朽化は全国的な課題となっており、こうした「掘らない工法」への注目が高まっている分野です。技能実習の職種としても、専門家会議での検討を経て整備が進められてきた経緯があります(具体的な職種追加の告示日・法的根拠については、本記事の官報告示とは別の手続きにあたるため、今回は深追いしません)。
体制の基準とはどういうものか
今回改正された告示が定めているのは、技能実習生に「どんな作業をさせるか」ではなく、「その職種で技能実習を行わせるにあたって、事業者側が満たすべき体制の基準」です。具体的な基準の中身自体は改正の対象になっておらず、今回変わったのは、この基準が適用される職種の範囲だけです。
【コラム】掘らない工事、なぜ広がっている?
道路を掘り返す工事は、交通規制や騒音・振動など周辺への影響が大きく、工期も長くなりがちです。管路更生のような非開削工法は、こうした負担を減らせる一方で、施工には専門的な技術が求められます。老朽化した下水道インフラが全国に広がるなか、こうした技術を持つ担い手の確保は、建設業界共通の課題になっています。
リファレンス
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