ユニクロのセルフレジと組んだアメリカの会社 シールとラベルの大手エイブリィ・デニソン【あなたの知らないS&P500】

ユニクロのセルフレジと組んだアメリカの会社 シールとラベルの大手エイブリィ・デニソン あなたの知らないS&P500

ユニクロの店舗で、買う服をカウンターに置くだけで会計が終わるセルフレジを使ったことがあるでしょうか。値札を1枚ずつ機械に読ませなくても、置いた商品の数がまとめて数えられる仕組みです。

このセルフレジの導入で、ユニクロと組んだアメリカの会社があります。エイブリィ・デニソン(Avery Dennison Corporation、ティッカー:AVY)。日本では名前を聞く機会が少ない会社かもしれませんが、スーパーの値札、ペットボトルに巻かれた表示ラベル、服に下がったタグといった「貼るもの・下げるもの」を、素材から手がける会社です。

COMPANY FILE ── 500分の10社目

社名エイブリィ・デニソン(Avery Dennison Corporation)
ティッカーAVY(ニューヨーク証券取引所)
本社オハイオ州メンター
創業1935年(法人設立は1977年にデラウェア州。1990年にデニソン・マニュファクチャリングと合併し現社名)
業種ラベル素材とRFID(シールの素材・タグ・表示ラベルの製造販売)
日本法人あり(AVERY DENNISON JAPAN KK)
公式サイトaverydennison.com(英語)
日本語サイトlabel.averydennison.com

何をしている会社か:ラベルの素材から、タグそのものまで

2025年12月期の年次報告書(Form 10-K)で、同社は自社を材料科学とデジタル識別の会社だと説明しています。売上高は88億5550万ドルでした。

事業は2つの部門に分かれます。ラベルの素材やテープを扱うマテリアルズ・グループが60億9330万ドル、RFIDタグやブランド表示を扱うソリューションズ・グループが27億6220万ドルです。年次報告書は、この2部門が全社売上のそれぞれ約69%と31%を占めると書いています。2025年12月期に報告の単位とされているのは、この2つです。2部門の売上高を合計すると、全社の88億5550万ドルと一致します。

この会社が分かりにくいのは、2つの部門で売っているものの姿がまるで違うところです。

マテリアルズ・グループが売るのは、ラベルになる前の素材です。年次報告書によれば、粘着材料は巻物またはシートの形で売られ、ラベルの材料は、コンバーターと呼ばれる加工会社に向けて世界中で販売されます。2013年12月期の年次報告書には、コンバーターが型押し・印刷・スタンプ・型抜きによって材料をラベルなどに加工すると書かれています。

一方のソリューションズ・グループは、ブランド表示のチケットやタグ、ラベル、RFIDのインレイとタグそのものを扱います。素材だけの会社でもなければ、完成品だけの会社でもありません。

代表商品:シールは4層でできている

年次報告書には、粘着ラベルの中身が書かれています。一般に、表面材、粘着剤、剥離剤、裏紙の4つの層でできていると説明されています。

表面材は紙・金属箔・樹脂フィルムのいずれかで、印刷される面にあたります。その裏に粘着剤があり、さらにその下に剥離剤と裏紙が重なります。年次報告書は裏紙について、粘着剤が先に他のものへ付いてしまわないよう守る役目と、個々のラベルを支えて送り出す台紙としての役目があると書いています。使うときに剥離剤と裏紙をはがすと粘着剤が現れ、押し当てるだけで貼れる、という説明です。

年次報告書はこの方式の利点として、熱や水分で糊を活性化させる必要がある材料と比べてコストを抑えられる点を挙げています。台紙からぺりっとはがすあの動作は、4層の設計から生まれています。

粘着ラベルの4層構造を示した図解。表面材 粘着剤 剥離剤 裏紙

強み:参入の壁は技術と資本

同社は2025年12月31日時点で、200を超える製造・物流拠点を運営しており、拠点を置く国は50か国を超えます。従業員は約3万5000人で、そのうち2万人近くがアジア太平洋にいます。2025年12月期の研究開発費は1億3660万ドルでした。

年次報告書は、粘着材料の分野に新しく参入する企業は、技術的な知識と必要な資本によって限られていると見ていると書いています。自社の強みとしては、技術力、事業の規模、幅広い品ぞろえ、安定した供給、製品と工程の革新、流通の力、ブランドの力を挙げています。

なお、この分野の競合として年次報告書が名前を挙げているなかには、日本企業も含まれています。ラベル素材の競合にリンテック、機能性テープの競合に日東電工です。

日本との関係:ユニクロのセルフレジ

日本法人はあります。年次報告書の子会社一覧に、日本の法人としてAVERY DENNISON JAPAN KKが記載されています。ラベル素材・RFID・グラフィックスの各事業には日本語のサイトがあり、そこでは社名がエイブリィ・デニソンと表記されています。

そのRFIDの日本語サイトに、ユニクロの事例が載っています。掲載されているのは、米国の小売業界メディア「The Robin Report」の記事を、許諾を得て翻訳・転載したものです。記事は、2023年のNRF Big Showでのパネルディスカッションと取材をもとに、ユニクロとエイブリィ・デニソンがセルフレジの導入で連携したこと、ユニクロのイノベーションパートナーとして同社がRFIDに着目したことを伝えています。

同じサイトには、ヤマト運輸の執行役員と同社担当者の対談も掲載されています。日本では、こうした企業どうしの取り組みが公式サイトで紹介されています。

なお、身近な接点は、もう1つあります。S&P500に連動するインデックス投信を積み立てているなら、その投信を通じて、この会社への投資を間接的に含んでいることになります。

アメリカ人にとっては:値札シールから始まり、オフィス用品事業を手放した会社

公式サイトの沿革によれば、この会社は1935年、ロサンゼルスで始まりました。同社は、創業者のレイ・スタントン・エイブリィが世界初の粘着ラベルを発明したと説明しています。手元にあった部品と100ドルの借り入れから出発し、最初につくったのは丸い値札シールでした。

社名の後半にある「デニソン」は、もともと別の会社の名前です。1990年、当時のエイブリィ・インターナショナルとデニソン・マニュファクチャリングが合併し、いまのエイブリィ・デニソンになりました。

沿革には、もう1つ大きな転換点があります。2013年、この会社はオフィス・消費者向け製品の事業を手放しました。1月29日に売却の契約を結び、7月1日に、その事業と設計エンジニアリングの事業をカナダのCCLインダストリーズへ5億ドルで売却したことが、当時の年次報告書に記されています。公式サイトの沿革は、この売却を、材料とソリューションの事業に力を注ぐためだったと説明しています。

トリビア

最初の社名は「Avery」ではありませんでした。公式サイトの沿革によれば、創業当時の社名は「Kum Kleen Products」。跡を残さずにきれいにはがせる、という粘着ラベルの特長を、そのまま社名にしていました。雑談で使うなら、こう言えます。シールの会社の最初の名前は、「きれいにはがせます」だった。

もう1つ。1974年、当時のエイブリィ・プロダクツは年間売上3億ドルでフォーチュン500に入りました。2025年12月期の売上高は88億5550万ドルです。丸い値札シールから始まった会社は、いまも紙とフィルムと糊を重ねたものを売り、その先のタグやRFIDまで手がけています。

これであなたは、500社のうち10社を知りました。

リファレンス

※本記事はAIを活用して作成し、編集部が公的機関の発表などの一次情報にもとづいて事実確認を行っています。詳しくは編集方針・AI利用ポリシーをご覧ください。

タイトルとURLをコピーしました