「日本版CIA」、実はもう内閣官房にできていた件

国家情報局・国家情報会議のしくみを解説するイメージ画像 政治面

見出しでは大きく取り上げられていませんが、日本の情報機関のかたちが、この夏静かに変わろうとしています。

2026年5月27日、参議院本会議で「国家情報会議設置法」が可決・成立しました。自民党・日本維新の会という与党に加え、国民民主党・公明党・参政党も賛成しての成立です。

法律の名前だけを見ると「会議を作ります」という穏やかな響きですが、中身を読むと、内閣官房に新しい実働組織「国家情報局」を置くことまでセットで決められています。

議長は首相、メンバーは9人の閣僚

衆議院の法案本文を確認すると、「国家情報会議」の構成は次のようになっています。

  • 議長:内閣総理大臣
  • 議員:内閣官房長官、内閣府特命担当大臣(金融)、国家公安委員会委員長、法務大臣、外務大臣、財務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、防衛大臣

首相を含めて10人、閣僚だけで数えると9人の顔ぶれです。安全保障やテロ対策、外国からの「影響工作」への対処方針などを、この会議でまとめて決める仕組みになっています。

「会議」の法律なのに、実は「局」も作られている

面白いのはここからです。この法律の本則は「会議」の話が中心ですが、附則で内閣法を書き換えて、内閣官房に「国家情報局」を新設することまで一緒に決めています。

条文にはこうあります。

第十六条の二 内閣官房に、国家情報局を置く。

国家情報局は、現在の内閣情報調査室(内調)を発展的に改組してつくられる組織です。内調はこれまで各省庁の情報を「連絡調整」する役割でしたが、新しい国家情報局は「総合調整権」という一段強い権限を持ち、各省庁に資料や情報の提供を義務づけられるようになります。

局のトップは、内閣情報官を格上げした「国家情報局長」というポストになり、外交・安全保障政策を担当する国家安全保障局長と同格に位置づけられます。

発足日は、実は法律に書かれていない

「今年の夏に発足」という報道をよく見かけますが、法律の附則を見る限り、発足日そのものは法律には明記されていません。附則には「公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する」とあるだけで、具体的な日付は今後、政令で決まる形です。

複数の報道では、まずは内調と同じ規模の職員約700人体制でスタートし、その後に増員する方針だと伝えられています。これまで内調では行われてこなかった「キャリア組」の総合職採用も、新しい局の発足に合わせて始まる見通しだと報じられています。

高市首相にとっては「2回の公約」

首相官邸の会見録によると、高市首相はこの法律について「自民党総裁選挙2回にわたり、自身の公約の中で重視してきたもの」であり、「今年の衆議院選挙で自民党の政権公約にも記載した」ものだと述べています。首相は法律の成立を「インテリジェンス機能を強化するための改革の第一歩」と位置づけ、今後も他のインテリジェンス施策を検討していく考えを示しました。

国会審議では、プライバシー保護への懸念を指摘する声もありました。これに対し首相は「本法律は行政機関相互の関係を律するものであり、そのようなリスクを高めるものではない」と説明しています。情報を集める側への監視のしくみをどう整えるかは、今後も論点として残りそうです。

【コラム】内閣情報調査室(内調)ってそもそも何?

国家情報局のもとになる内閣情報調査室(内調)は、1952年に設置された「内閣総理大臣官房調査室」がルーツとされる組織です。各省庁がバラバラに集めていた国内外の情報を一つにまとめる目的で作られ、アメリカのCIA・イギリスのSISのような海外の情報機関の日本側の窓口も務めてきました。こうした役割から、これまでも「日本版CIA」と呼ばれることがありました。今回の国家情報局は、この内調を土台にしつつ、権限を強化して生まれ変わる形になります。

国家情報会議設置法案(衆議院・法案本文)
国家情報会議設置法案の概要(内閣官房)
国家情報会議設置法の成立についての会見(首相官邸)

※本記事はAIを活用して作成し、編集部が公的機関の発表などの一次情報にもとづいて事実確認を行っています。詳しくは編集方針・AI利用ポリシーをご覧ください。

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