2026年8月3日の官報(本紙第1760号)に、海上保安庁告示第25号が載りました。中身は「海上保安庁の船舶の番号及び標識」という1949年(昭和24年)の告示の一部改正です。
改め文の書き方も少し変わっています。よくある改正では、変えたい部分に傍線を引いて示しますが、この告示では改正前と改正後の欄に別表の一部を抜き出し、破線で囲んだ部分を差し替える形をとっています。
その破線の中身が、この告示のすべてです。
消えた1行
改正前の欄には、次の2行が並んでいます。
- PL66 しきね
- PL67 あまぎ
改正後の欄に残っているのは、PL66「しきね」の1行だけです。つまりこの告示は、巡視船「あまぎ」の1行を別表から取り除くためのものです。
附則には、公布の日から施行し、2026年(令和8年)7月24日から適用する、と書かれています。効力は7月24日にさかのぼります。
新しい船が来れば式典があり、地元の港には人が集まります。けれども船が役目を終えるときにも、手続きの上ではこうして番号と名前を載せた表から1行が消えます。船の一生の終わりは、告示の別表という場所に記録されるということです。
番号と名前は、法律の系列の中で決まっている
そもそも、船体に大きく書かれているあの記号と番号は、どこで決まっているのでしょうか。
この告示は、海上保安庁法施行令第2条にもとづくものだと冒頭に明記されています。政令が「番号と標識を定める」と決め、それを受けて告示が具体的な一覧表を持つ、という構造です。船に付ける番号と名前は、担当部署の内部の取り決めではなく、官報に載る形で公になっています。
記号の意味は、海上保安庁が公開しています。巡視船の記号は、パトロールを意味する英語のPと、大きさの大中小にあたるL、M、Sを組み合わせたものです。ヘリコプターを積む船には、さらにHが付いてPLHになります。したがってPLは大型の巡視船を指します。番号は原則として建造の順に付けられます。
名前の付け方にも基準があります。PLの船名は、半島、岬、湾、島、海岸、山から採ることになっています。ヘリコプター搭載型のPLHは海峡、水道、山、古い日本の国名から、中型のPMは河川と島から、小型のPSは山から。巡視艇になると、大型のPCは雪、霧、波、月、雲、小型のCLは風と花です。船の名前を聞けば、だいたいの大きさの見当がつく仕組みになっています。
「あまぎ」も「しきね」も、この基準の中にある名前です。
どんな船だったのか
海上保安庁のページによれば、PL67「あまぎ」は全長89.4メートル、総トン数1300トン。就役は2010年(平成22年)3月で、2013年(平成25年)12月から第十管区海上保安本部の奄美海上保安部に配属されていました。本記事の執筆時点でも、奄美海上保安部の所属船艇の紹介ページには、この船の写真と諸元が掲載されています。
同じページには、2025年(令和7年)3月に就役した全長120メートル、総トン数3500トンのPL204「あまみ」も並んでいます。
別表は、そのときどきの海の陣容そのもの
この告示の別表は、いま日本の海にどの船が並んでいるかを、番号と名前だけで書き写した一覧です。新しい船が加われば1行増え、役目を終えれば1行減ります。派手な写真も、性能の説明も、乗組員の名前もありません。
それでも、16年にわたって奄美の海に出ていた船が退いたという出来事は、この1行の削除として確かに記録されました。
【コラム】記号でわかる船の大きさ
海上保安庁の船艇はおよそ400隻。用途によって、巡視船艇などの警備救難業務用船、海底地形の測量や海流の観測を行う測量船、灯台や航路ブイの維持管理を行う航路標識業務用船に大きく分かれます。港で船を見かけたら、船体の記号を確かめてみてください。PLHなら後ろにヘリコプターの発着甲板があるはずですし、CLと書かれていれば20メートル型以下の小さな巡視艇です。ちなみに小型巡視艇のCLは、艇を意味するCraftのCに、なぜか大を意味するLが付いた形をしています。かつてこれより小さい艇があり、CLとCSで区分していた名残だと説明されています。
参考リンク
- 2026年8月3日 官報 本紙第1760号(海上保安庁告示第25号)
- 巡視船艇の記号及び船名について(第十管区海上保安本部 宮崎海上保安部)
- 所属船艇紹介(第十管区海上保安本部 奄美海上保安部)
- 船艇(海上保安庁)
※本記事はAIを活用して作成し、編集部が公的機関の発表などの一次情報にもとづいて事実確認を行っています。詳しくは編集方針・AI利用ポリシーをご覧ください。


