外国人スキー教師のビザ要件から「ステージ」が消えた 資格の呼び名が変わると入管の告示も変わる

外国人スキー教師の資格要件 「ステージ」が「レベル」になった あなたの知らない官報

2026年8月5日(令和8年8月5日)の官報の2頁に、法務省告示第67号が載りました。外国人がスキーのインストラクターとして日本に滞在するための在留資格について、求められる資格の名前を書き換える改正です。

「アルペンスキー・ステージⅠ」が「アルペンスキー・レベルⅠ」に。Ⅱも、Ⅲも、Ⅳも同じように。変わったのは、ステージという単語だけです。

たったこれだけの改正ですが、ここには「民間団体が資格の呼び名を変えると、国の告示まで書き換わる」という制度の連動が現れています。

スキーを教えるための在留資格がある

日本で外国人が働くには、活動に応じた在留資格が要ります。エンジニアなら「技術・人文知識・国際業務」、料理人なら「技能」といった具合です。

スキーのインストラクターは、そのどれにも収まりません。そこで使われているのが「特定活動」という在留資格です。法務大臣があらかじめ告示で定めた活動について、個別に道を開いておく仕組みで、スキーのインストラクターはその別表第12に置かれています。

出入国在留管理庁の案内ページによると、この在留資格で申請する際には、雇用契約書の写しや勤務先の概要とあわせて、本人の技能を証明する資料の提出が求められます。

求められるのはSIAの資格

その技能を証明する資料として告示が指定しているのが、公益社団法人日本プロスキー教師協会が認定する資格です。英語名の略称からSIAと呼ばれています。

告示は、アルペンスキーのⅠからⅣまでの4つの段階を挙げ、これらのいずれかを持っていることを条件としています。今回の改正で書き換わったのは、この4行の名前です。

もうひとつ、SIAがこれらと同等以上と認めるスキーの指導に関する資格も認められています。つまり、日本の協会が「うちのこの段階に相当する」と判断した外国の資格であれば、それでも申請ができるという構えです。

SIAは、すでに「レベル」と呼んでいた

では、なぜ告示の名前が変わったのでしょうか。

SIAの公式サイトを見ると、現在の教師資格はアルペンスキー、スノーボード、テレマークスキーの3種類で、それぞれにレベルⅠからⅣまでの4段階がある、と書かれています。ステージという言葉は出てきません。アルペンスキーのレベルⅣの上には、国際資格である「ISIAカード」が置かれています。

資格の中身も公表されています。レベルⅠは満18歳以上で、公認スキー学校で実技と指導実習、基礎理論の講習を受けた人が受検できます。レベルⅢになると、外国語、力学、救急法、雪崩を含む雪山の安全対策論などの基礎理論に加え、100時間を超える実技実習が課されます。最上位のレベルⅣは、レベルⅢの取得者で満22歳以上という条件がつきます。

団体の側が呼び名を改めても、告示に書かれた名前が古いままでは、申請の窓口で「この資格は告示のどれにあたるのか」という照合が必要になります。今回の改正は、その食い違いをなくすものだと読めます。

世界の同等資格を並べてみると

出入国在留管理庁は、SIAが同等以上と認める資格の一覧を公表しています。2026年(令和8年)2月時点のもので、そこに並ぶ顔ぶれが興味深いのです。

カナダのカナディアン・スキー・インストラクターズ・アライアンス、英国のブリティッシュ・アソシエーション・オブ・スノースポーツ・インストラクターズ、ニュージーランド、オーストラリア、ドイツ、イタリア、アルゼンチン、韓国。8つの国の団体の資格が載っています。日本からは全日本スキー連盟の公認スキー指導員と公認スキー準指導員も対象です。

そして、これらの資格名を眺めると、ほとんどが「Level 1」「Alpine Level 2」「Ski Level 3」という表記です。ドイツとイタリアだけがそれぞれの言語の名称を使い、国際スキー教師連盟の「ISIA STAMP」が末尾に置かれています。

スキー教師の資格は、国境をまたいで通用することが前提の世界です。そのなかで、日本の告示にだけ「ステージ」という語が残っていた、という見え方になります。

案内ページは、まだ「ステージ」のまま

本記事を書いている2026年8月5日の時点で、出入国在留管理庁のウェブサイトにある申請案内のページは、まだ「アルペンスキー・ステージⅠ」から「ステージⅣ」と表記されています。

告示が官報に載った当日ですから、無理もありません。制度の変更は、まず官報に載り、それから窓口の案内や申請書の様式、各種のパンフレットへと順に反映されていきます。官報を読むということは、その一番手前を見るということでもあります。

インバウンドの増加で、日本のスキー場では外国人インストラクターの姿が珍しくなくなりました。その人たちが日本で教えるための入口が、この2頁の告示に書かれています。

【コラム】在留資格「特定活動」とは

在留資格は、外国人が日本で行う活動の種類ごとに用意されています。教授、芸術、報道、経営・管理、技能、留学、家族滞在など、法律の別表に並んだものが基本です。

しかし、社会の側の必要は法律の改正を待ってくれません。そこで置かれているのが「特定活動」です。法務大臣が告示で定めれば、法律を改正しなくても新しい活動を受け入れの対象にできます。

スキーのインストラクターのほか、ワーキング・ホリデー、外国人建設就労者、インターンシップ、家事支援など、多様な活動がこの枠に収められてきました。告示の別表が増えるということは、日本社会が新しい種類の人手や交流を受け入れたということでもあります。番号だけが並んだ味気ない表に見えて、実は日本の受け入れの歴史がそのまま積み上がった一覧なのです。

リファレンス

※本記事はAIを活用して作成し、編集部が公的機関の発表などの一次情報にもとづいて事実確認を行っています。詳しくは編集方針・AI利用ポリシーをご覧ください。

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