トマトやバジルなど40品種が登録 品種を守る権利が10年延びました

8月13日に40品種登録 守られる期間は10年延長 あなたの知らない官報

8月13日、40の新しい品種が国の登録簿に載りました。バジルの「実存」、トマトの「びっくり 丹丹」、サボテンの仲間の「小春日和」。名前を眺めているだけでも飽きないのですが、今回の40件には、7月に変わったばかりの制度がそのまま表れています。品種を守る権利の長さが、10年延びました。

40の品種が一度に登録されました

農林水産省が8月13日付で公示したのは、第31776号から第31815号までの40件です。登録の日はいずれも8月13日で、名前を拾うだけでも幅の広さが分かります。

  • 実存(バジル)
  • びっくり 丹丹(トマト)
  • 小春日和(マミラリアというサボテンの仲間)
  • ほほの香(マンゴー)
  • 越のかおり環1号(イネ。カドミウムの吸収が極めて低いことが特性として挙げられています)
  • 大分林研き-2103(シイタケ)
  • 鳥取1u61(ながいもの仲間)

登録までには時間がかかります。今回の40件では、出願が公表されてから登録まで、約1年から7年5か月あまりの幅がありました。いちばん古いのは2019年2月26日に公表された「ブルーシャンブルー」、いちばん新しいのは2025年8月14日公表のシイタケ「森Jh8号」です。名前が世に出てから権利になるまでには、それだけの審査があります。

権利の長さが10年延びました

登録の一覧には「育成者権の存続期間」という欄があり、今回は35年が23件、40年が17件でした。この数字が、7月に変わったばかりのものです。

種苗法第19条第2項は、いまはこう書かれています。

育成者権の存続期間は、品種登録の日から三十五年(第四条第二項に規定する品種にあっては、四十年)とする。

この「第四条第二項に規定する品種」は、永年性植物として農林水産省令で定められた種類に属する品種です。種苗法施行規則第2条は、その種類を「木本の植物」と定めています。つまり木本の植物は40年、それ以外は35年。今回40年がついたのは、マンゴーやアジサイ、ブルーベリーの仲間などでした。

改正前は25年(永年性植物は30年)でした。10年の上乗せを決めたのが、2026年7月17日に参議院本会議で可決されて成立し、7月24日に公布された種苗法の一部を改正する法律(令和8年法律第72号)です。この法律の多くは12月1日からの施行ですが、存続期間を延ばす第19条第2項の改正は、附則第1条のただし書によって公布の日から施行されました。

この法律には、存続期間の延長のほかにも、出願が公表されたあとであれば品種登録の前でも種苗などの輸出の差止めを求められる制度の創設、損害賠償額の算定に関する規定の見直しなどが含まれています。この記事で扱うのは、そのうち存続期間の部分です。

さらに附則第3条は、この規定を「一部施行日に現にその存続期間が満了していない育成者権」に適用すると定めています。つまり、これから登録される品種だけの話ではなく、7月24日の時点で生きていた登録品種の権利も延びました。農林水産省は、7月24日に育成者権が残っていた登録品種について、存続期間が25年だったものは35年に、25年だった永年性植物と30年だった永年性植物は40年になると案内しています。

8月13日に登録された40件は、単純に足せば2061年、永年性植物なら2066年まで権利が続く計算になります。

育成者権の存続期間は25年から35年へ。木本の植物は40年

鳥取県の外で作るには許可が要る品種があります

今回の公示にはもうひとつ、条件つきの品種が並んでいます。40件のうち2件には「指定地域」が書かれていました。ながいもの仲間の「鳥取1u61」は鳥取県、シイタケの「大分林研き-2103」は大分県です。それぞれの欄には、制限の内容がこう書かれています。

指定地域以外の地域において種苗を用いることにより得られる収穫物を生産する行為を制限する。

種苗法第21条の2にもとづく仕組みです。品種登録を受けようとする人は、その品種の産地をつくろうとする場合に、産地にしたい地域を指定地域として、品種登録出願と同時に農林水産大臣に届け出ることができます。義務ではなく、出したい人が出願と同じタイミングで出す届出です。届出が公示されると、指定地域の外で種苗を使って収穫物を作る行為にも育成者権の効力が及びます。育成者権者の許可なしにはできない、ということです。

同じ条文には、海外に向けた制限もあります。今回は40件のうち20件に、次の内容の届出がありました。

登録品種につき品種の育成に関する保護を認めていない国以外の国であって指定国以外の国に対し種苗を輸出する行為及び当該国に対し最終消費以外の目的をもって収穫物を輸出する行為を制限する。

読みにくい一文ですが、品種を保護する制度がある国のうち、育成者権者が「ここになら出してよい」と決めた国(指定国)の外へ種苗を持ち出す行為に、育成者権の効力が及ぶ、という組み立てです。持ち出すには許可が要ることになります。なお、品種の育成に関する保護を認めていない国への持ち出しは、この届出がなくても効力が及びます(第21条第2項ただし書)。「鳥取1u61」の指定国の欄は「なし」でした。

この仕組みは、2020年に成立した種苗法改正で設けられました。農林水産省は改正の理由として、日本で開発されたブドウやイチゴなどの優良な品種が海外に流出し、第三国で産地化された事例を挙げています。正規に買った種苗であれば海外への持ち出しを止められなかったため、国内法で対応できるようにした、という説明です。

苗の袋に書いてあります

この制限は、買う側からも見えるようになっています。種苗法第21条の2第5項は、公示された翌日以降、登録品種の種苗を業として譲渡する人に対して、種苗やその包装に、制限が付いている旨と制限の内容が公示されている旨の表示を付けるよう求めています。登録品種であることの表示に加えての表示です。

なお、育成者権の効力が及ぶのは「業として」の利用です。農林水産省は、自家消費を目的とする家庭菜園や趣味としての利用には影響がない、と説明しています。

【コラム】アルファベット順に並ぶ40品種

登録の一覧は、Dioscorea(ヤマノイモ属)で始まり、Xerochrysum で終わります。品種名の五十音順でも、登録番号を除いた分野別でもなく、学名の属名のアルファベット順です。だからバジルとイネが隣り合い、サボテンとマンゴーが続けて出てくることになります。トマトが後ろのほうにいるのは Solanum だからで、ジャガイモがそのすぐ次に来るのも、同じ属だからです。

リファレンス

※本記事はAIを活用して作成し、編集部が公的機関の発表などの一次情報にもとづいて事実確認を行っています。詳しくは編集方針・AI利用ポリシーをご覧ください。

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